メダカのソイルとは?必要性・選び方・交換時期と屋外の注意点
今回のテーマは「メダカ飼育におけるソイル」です。
メダカを飼い始めて、水槽の底に何か敷いた方がいいのかなと悩んでいる方は多いと思います。
お店の水槽で黒い土のようなものが敷いてあるのを見て、あれは何だろうと気になった方もいるかもしれません。
私自身、室内飼育の方法についてはずっと悩んできて、ソイルを敷いている水槽と、あえて敷いていない水槽の両方を持っています。
先に結論からお伝えすると、ソイルはメダカ飼育に必須のものではありませんが、目的がはっきりしているなら心強い味方になってくれる底床です。
- ソイルとは、土を焼き固めて作られた、水槽の底に敷く底床のこと
- 栄養を含んでいるので、水草が育ちやすく、メダカの餌になるプランクトンも発生しやすい
- ザラザラしているのでバクテリアが定着しやすく、バクテリアの住処になってくれる
- 一方で粒が崩れて栄養も抜けていくため、1年に1回くらいのペースで交換する必要がある
- そもそもメダカ飼育に底床は必須ではなく、何も敷かないベアタンクでも育成から繁殖まで十分に楽しめる
それでは、みていきましょう。
メダカ飼育における「ソイル」とは?
ソイルとは、メダカの水槽の底に敷く底床のことです。
底床というのは、飼育容器の底に敷く土や石のことを指します(メダカ飼育における「底床」とは?)。
その底床の中でもソイルは、土を焼き固めたもので、栄養が含まれているというのが一番の特徴です。
見た目は粒状の土のようなもので、茶・黒なども存在します。
私が室内の水槽で使っているのは、黒いソイルです。
ソイルが水槽の中でしている仕事
ソイルを敷くと、水槽の中でいくつかの役割を担ってくれます。
- ザラザラしていてバクテリアが定着しやすいので、バクテリアの住処になる
- 栄養が多い水槽になるため、メダカの餌になるプランクトンが発生しやすくなる
- 水草の根がはりやすく、通常のソイルは弱酸性よりの水質になる
特に、生まれて間もない赤ちゃんメダカにとっては、水槽の中で発生した小さなプランクトンがそのまま餌にぴったりです。
また、メダカの産卵場所として水槽に水草を入れる場合にも、ソイルは向いています。
私の水槽でも、このソイルが結構いい仕事をしてくれているのではないかと思っていて、バクテリアの住処になっているのだろうなと感じています。
メダカ飼育にソイルは必要なのか?
ここが一番知りたいところだと思うので、正直にお伝えします。
屋外飼育や室内飼育に限らず、メダカ飼育において石や砂利、土などの底床は必須ではありません。
底床を敷かなくても、メダカの育成から繁殖まで楽しむことは十分に可能です。
実際に私が見学させていただいたことがあるメダカ専門店やメダカブリーダーの中でも、底床などを敷かずに飼育をしている方は多いです。
底床を敷かない飼い方は「ベアタンク」と呼ばれています。
エアレーションや水草も含めた「本当に必要なのか」という話は、メダカ飼育にエアレーション、水草、底床、貝類は必要?でもまとめています。
それでもソイルを敷くメリット
必須ではないと言いつつ、ソイルを敷くことで得られる恩恵もあります。
- 観賞性が上がる
- バクテリアが住み着きやすくなる
- 水草を植えることが出来る
- 水草が育ちやすい環境になる
底床にはいろいろな種類がありますが、その中でソイルは水草の育成に長けているという位置づけになります。
ソイルのデメリット
一方で、ソイルにははっきりとしたデメリットもあります。
- 容器の底に落ちてしまったメダカの卵を回収しづらい
- 飼育容器を丸洗いしたいと思った時に、底床を全て取り出すのが大変
- 普通の砂利と違って粒が崩れたり、栄養がなくなったりする
- 半永久的には使用できず、1年に1回くらいのペースで交換する必要がある
- 通常のソイルは弱酸性よりの水質になる
私が普段ベアタンクで飼育しているのも、まさにここが理由です。
私の場合は、結構頻繁に水換えをしたり容器ごと全て洗ったりします。
水草やソイルを入れて飼育してしまうと全て取り出してから洗わないといけないので、とっても大変だったりします。
逆に言えば、容器を丸洗いする回数が多くない飼い方であれば、このデメリットはかなり小さくなります。
ご自身の飼い方に合っているかどうかで判断していただくのが良いと思います。
メダカ用ソイルの種類と選び方
メダカ飼育に使用する底床は「赤玉土」「ソイル」「大磯砂」が一般的です。
他にも化粧砂など、本当に色んな種類があります。
その中でソイルを選ぶかどうかを決めるときに、私が大事だと思っている軸を3つお伝えします。
選び方1:何のために敷くのかという目的から選ぶ
一番大事なのは、見た目の好みよりも「何のために底床を敷くのか」という目的です。
- 水草を育てたい、メダカを繁殖させたい → ソイルが向いています
- とにかく安く済ませたい → 赤玉土が安価です
- 交換の手間をかけたくない → 大磯砂は崩れないので半永久的に使えます
目的が決まると、迷う時間がぐっと短くなります。
選び方2:水質に与える影響から選ぶ
見た目の形や色も豊富でたくさんの種類があるので自分の好みで選んでしまいがちですが、底床によっては水質を変えてしまうものも存在します。
一般的に大磯砂などの石系は水質を弱アルカリ性に傾け、赤玉土は水質を弱酸性に傾けると言われています。
ソイルについても、通常のソイルは弱酸性よりの水質になります。
ただし、実際に使う底床の量や水槽の状態によっても飼育水に与える影響は異なります。
日頃からメダカの様子や水の状態をよく観察することが一番大切かなと思います。
選び方3:色から選ぶ
ソイルには茶・黒などの色があります。
黒い底床については「メダカの体色は濃くなりますか」というご質問をいただくこともあります。
実際に実験したわけではないので正確な回答ではないのですが、何もしないよりは背地反応の影響を受けると思います。
肌感としては、何もしない水槽より黒背景あり水槽、黒背景あり水槽より全面が黒い容器の順に、背地反応の影響を受けるのではないかと考えています。
基本は見た目の好みで選んでいただいて問題ありませんが、こうした影響もあると知っておくと選びやすくなると思います。
ソイルの使い方と、私が最初に失敗したこと
ここからは、実際にソイルを使うときの話です。
正直にお伝えすると、私が最初にソイルを使ったときは全然上手くいきませんでした。
その水槽は「ソイル」「ウィローモス」「水」だけを入れて、エアレーションは無しで始めました。
すると、水が白く濁ってしまったり、一緒に入れていたエビがバタバタと落ちてしまったりで、全然上手くいきませんでした。
ですが、エアレーションをやるようになってから、メダカもエビも生き生きとし始めたような気がしています。
バクテリアがたくさんいても、エアレーションがないと上手くいかないのかなというのが、私の中では学びになりました。
ソイルを敷いたから水が安定する、という単純な話ではないということです。
ソイルはあくまでバクテリアの住処であって、単体で完結する道具ではないと考えています。
水換えが続かない方は「ソイル・スポンジフィルター・水草」の3点セット
室内でメダカを飼育していると、水が悪くなる前に水換えをするのが大変で続かないという方も多いと思います。
そんな方は「ソイル・スポンジフィルター・水草」この3点セットを飼育容器に一緒に入れてあげると良いと思います。
ソイルとスポンジフィルターは水質を保つためのバクテリアの住処となってくれます。
水草はメダカの食べ残しや糞などを養分として吸収・消化してくれます。
この組み合わせによって、水の劣化を遅らせることが出来ます。
ちなみにソイルは基本的に使い捨てなので、何度も洗って使えるろ材を使うのもオススメです。
室内飼育でやりがちな失敗については【こんな飼い方はダメ】メダカの室内飼育でやってはいけない3つのことにまとめています。
ソイルの交換の時期とやり方
ソイルは普通の砂利と違い、粒が崩れたり、栄養がなくなったりします。
半永久的には使用できず、1年に1回くらいのペースで交換する必要があるので、手間がかかります。
ここはソイルを選ぶ前に必ず知っておいてほしいところです。
交換のときも水合わせはした方がいい
「ソイルだけを替える場合も、水合わせはしたほうが良いですか」というご質問をいただいたことがあります。
飼育水を3分の2ほど残す場合であっても、水合わせはするに越したことはないというのが私の考えです。
ただ、そのケースでは時間はそこまでかけ過ぎなくても大丈夫かもしれません。
水合わせのやり方そのものはメダカの水合わせのやり方9手順で詳しく説明しています。
交換をやめて、ベアタンクに切り替えるという選択もある
毎年の交換が負担に感じるなら、そのタイミングでベアタンクに切り替えるのもひとつの手です。
「ソイルの代わりにろ材に変えてベアタンク仕様にした場合、水換えの頻度は3日おきでは足りないでしょうか」というご質問をいただいたこともあります。
小型の水槽の大きさにもよりますが、3日おきの水換えであれば問題ないかと思います。
ソイルを抜くぶん、水換えとろ材で水を保つという考え方になります。
屋外のメダカ飼育でソイルは使うのか
意外と知られていないのが、屋外の話です。
「屋外の80リットルのタライで、赤玉土ではなく黒色の底床を使いたいのですが、何かオススメはありますか」というご相談をいただいたことがあります。
黒い底床と言えば、パッと思いつくのはソイルです。
ただ、あまり屋外でソイルを使うのは一般的ではないかもしれません。
他にも黒色の底床はありますが、80リットルのタライですと結構な量が必要になります。
底床代を考えると、容器を買い直した方が安上がりかもしれない、というのが私の回答でした。
屋外の大きな容器では、底床の量とコストが現実的な問題になってきます。
ソイルは室内の水槽で使うもの、という位置づけで考えておくと分かりやすいと思います。
ソイル以外の底床という選択肢
ソイルが自分の飼い方に合わないと感じた方のために、他の選択肢も並べておきます。
赤玉土
赤玉土は、元々は園芸によく使われる土ですが、淡水魚の底床としても使われることが多いです。
底床としてよく使われる理由としては「安価である」「バクテリアが定着しやすい」などが挙げられます。
入れておくだけで水が綺麗になるということで人気があります。
他にも赤玉土には、水質を弱酸性に傾けるという性質があるので、メダカ飼育での使用は賛否が分かれます。
詳しくはメダカ飼育における「赤玉土」とは?で説明しています。
大磯砂
大磯砂は崩れないので半永久的に使えます。
一方で、比較的ツルツルしているのでバクテリアが定着しにくいという面があります。
石系は水質を弱アルカリ性に傾けると言われています。
交換の手間をなくしたい方には向いている底床です。
何も敷かない(ベアタンク)
何も敷かないという選択も、立派な選択肢です。
「何も敷かない場合はバクテリアはどこに住み着くんですか」というご質問をいただいたことがあります。
何も敷かない場合でも、産卵床や飼育容器のキズなどにもバクテリアは棲みつきます。
私自身のメインの飼育方法も、この何も入れないベアタンクです。
底床の種類ごとの違いはメダカ飼育における「底床」とは?にまとめています。
実際にうちで使っている室内の飼育環境
ここからは、私の室内飼育の実例を紹介します。
同じ室内でも、ソイルを敷いている水槽と敷いていない水槽があります。
ソイルを入れるか迷っている方の参考になれば嬉しいです。
1:ソイル・ウィローモス・エアレーションの水槽
黒いソイルを敷いて、中央に南米ウィローモスを入れて、エアレーションをしている水槽です。
この水槽では「ボブ」と「マリアージュ」を掛け合わせた個体を飼育しているのですが、結構元気に泳いでくれています。
特に病気とかも見当たらないので、調子良く泳いでくれているなという印象です。
スポンジフィルターの上には「ダークブルーシュリンプ」という青いエビもいます。
先ほどお伝えした通り、この水槽も最初は全然上手くいかず、エアレーションを足したことで落ち着いた水槽になります。
2:ソイルを敷かず、スポンジフィルターのみの水槽
「ブドウ目アルビノプラチナ幹之」の稚魚たちがいる水槽です。
この水槽は、先ほどとは違ってソイルを敷かずにスポンジフィルターのみで飼育をしています。
スポンジフィルター1個だけで上手くいくのかを実験していた水槽です。
導入し始めてから1週間くらい経った時点で、メダカたちの様子もそんなに悪くない気がしていました。
3:牡蠣殻とスポンジフィルターの水槽
まだ孵化していない卵が50個くらい底に沈んでいる水槽です。
こちらも実験中の水槽で、中央にあるのが袋に入った牡蠣殻になります。
牡蠣殻はpHを中性からアルカリ性に近づけるという効果があるらしいので、牡蠣殻2つとスポンジフィルターを入れる実験をしていました。
4:ソイル・スポンジフィルター・植物育成ライトの水槽
ソイルとスポンジフィルターを入れていて、なおかつ植物育成ライトを当てている水槽です。
室内飼育でも緑の藻が生えてくるという、私の中では衝撃の結果になりました。
室内でLEDライトを使うと茶色のコケになってしまうので、植物育成ライトが良い仕事をしてくれているのかなと思います。
導入し始めてから2週間くらい経った時点で、1匹も落ちる様子もなくて元気に泳いでくれていたので、これはこれでありなんじゃないかなと思っています。
こうして並べてみると、ソイルは絶対に必要なものではなく、その水槽で何をしたいかによって入れたり入れなかったりするもの、というのが私の使い方です。
メダカは、一生楽しめる趣味です
メダカは、子供からお年寄りまで、老若男女問わず楽しめる趣味です。
私自身、メダカについて発信したり、メダカやオリジナルの飼育グッズを販売している中で、「購入したメダカ、元気ですよ!」といったお声や、「子どもや孫と一緒に癒されています!」といった温かいお声を、たくさんいただきます。
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メダカのソイルに関するよくある質問
ソイルを交換するとき、メダカの水合わせは必要ですか?
飼育水を3分の2ほど残す場合であっても、水合わせはするに越したことはないと思います。
ただ、その場合は時間はそこまでかけ過ぎなくても大丈夫かもしれません。
底床を何も敷かないと、バクテリアはどこに棲みつきますか?
何も敷かない場合でも、産卵床や飼育容器のキズなどにもバクテリアは棲みつきます。
私自身もベアタンクでメダカを飼育しています。
黒いソイルを敷くと、メダカの色は濃くなりますか?
実際に実験したわけではないので正確な回答ではないのですが、何もしないよりは背地反応の影響を受けると思います。
肌感としては、何もしない水槽より黒背景あり水槽、黒背景あり水槽より全面が黒い容器の順に、背地反応の影響を受けるのではないかと考えています。
ソイルをやめてベアタンクにしたら、水換えの頻度はどれくらいですか?
小型の水槽の大きさにもよりますが、3日おきの水換えであれば問題ないかと思います。
屋外の飼育容器でもソイルは使えますか?
あまり屋外でソイルを使うのは一般的ではないかもしれません。
80リットルのタライのような大きな容器ですと結構な量が必要になるので、容器を買い直した方が安上がりかもしれません。
ソイルはどれくらいで交換すればいいですか?
粒が崩れたり栄養がなくなったりするので、1年に1回くらいのペースで交換する必要があります。
交換の手間をかけたくない場合は、崩れない大磯砂を選んだり、何度も洗って使えるろ材に切り替えるという方法もあります。
ソイルを入れればメダカは増えますか?
ソイルを入れただけで増えるというものではありません。
ただ、栄養が多い水槽では赤ちゃんメダカの餌になるプランクトンが発生しやすく、卵を産みつける水草も育ちやすくなります。
メダカ飼育の全体像はメダカの飼い方ガイドにまとめています。
最後に|ソイルは目的で選ぶ道具のひとつ
最後にもう一度おさらいです▼
- ソイルは土を焼き固めた底床で、栄養を含みバクテリアが定着しやすい
- 水草が育ちやすく、プランクトンも発生しやすい
- ただし底床自体がメダカ飼育に必須ではなく、ベアタンクでも育成から繁殖まで十分に可能
- デメリットは、卵を回収しづらい・丸洗いが大変・1年に1回くらいの交換が必要という3つ
- 交換のときも、メダカの水合わせはするに越したことはない
- 屋外の大きな容器では量とコストの問題があり、屋外で使うのは一般的ではないかもしれない
- 交換の手間を避けたいなら大磯砂やろ材、安く済ませたいなら赤玉土という選択肢もある
メダカ飼育に正解はないと思っています。
今の飼い方で上手くいっているのであれば、それが正解です。
ソイルも、入れれば上手くいく魔法の土ではなく、目的に合わせて選ぶ道具のひとつだと考えています。
私の知識と経験は、これからも惜しみなく発信していきます。
この記事がソイル選びの参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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